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「コロナ/CORONA」は英語「クラウン/CROWN」の語源

英語『Crown』は、王冠を意味する

古代ローマでは、冠全般が『Corona』

『Crown/クラウン』という英単語は、王冠を意味します。ラテン語の『Corona/コロナ』が語源となっています。

イギリスでは、王だけが被る物を指します。ところがラテン語では、王様に限定せず、他の人が被る「冠」も含めて『Corona』と呼んでいました。

ラテン語を公用語としていた古代ローマでは、「植物で編まれたリース」のようなものも含んでいました。人々の栄誉を称える為に授けられたそうです。

現代のスポーツ大会でも、入賞者には「月桂冠」や「オリーブ冠」が与えられます。これらは、植物で作られていて、勝者が授かる点が共通しています。

ふわふわ教授

参考(英文サイト):Roman crown and wreaths.


パンデミック前は『Corona=太陽コロナ』だった?

英語の辞書では、『Corona』といえば太陽のまわりにある光の輪っか(ガス)について真っ先に記されることが多いです。日本語では「太陽コロナ」とも称されます。

『Corona』は、普段は太陽が明るすぎて見えません。ところが、皆既日食の時には、逆光になった黒い月の周りに淡いギザギザの光が観測できます。

この光が王冠に似ているので、「光の王冠」や「光冠」ともいわれています。

英語では、『Corona』=「太陽コロナ」と長年認識されてきたようで、辞書にもこの項目しか書かれていないことも多いです。パンデミック以降に編纂される英語辞典では、一気に様変わりするかもしれません。

天文学における「コロナ」をあえて分かりやすくするため『Stellar corona』という熟語もあります。「恒星のコロナ」という意味です。

ふわふわ教授


『Coronet/コロネット』は、小さな冠

英国では、王以外の冠は『Coronet』

英国の王子様は「コロネット」をかぶる

イギリスでは、『Crown』を被るのは、君主1人だけ(女王か王)です。あとの貴族の冠はすべて『Coronet/コロネット』という名称が使われています。

『Coronet』とは、小さな『Crown』を意味する単語です。必ずしもサイズのことを述べているのではなく、「王冠」より格下の冠を指すために使われているようです。

新しい王の就任式である「戴冠式」のことは『Coronation/コロネイション』といいます。

ふわふわ教授

英語の『Crown』とラテン語の『Corona』では、発音にけっこうな変化が見られます。ところが、「コロネット」と「コロネイション」は原型である『Corona』に近い点が興味深いです。

『Milk Crown』は英語では通じない?

「ミルククラウン」とは、ミルクの一滴を垂らしたときに、一瞬、王冠状になる現象を指します。

ところが『Milk crown』で検索しても、あまり英語圏からの情報が出てきません。理由は、この言葉が英語ではあまり使われていないからです。

英語では『Milk drop coronet』という名称で知られています。直訳すると「ミルクの滴の小さな王冠」です。1957年に、世界で初めてこの現象が撮影された際の写真にもこの名称が使われています。

ミルクで作られる冠が可愛らしいので、「小さな冠」というイメージにもマッチすします。よって「王冠」より『Coronet』が名称に採用されたのかもしれません。

日本では『Coronet』という単語が、いまいち認知されてません。また、『Milk drop coronet』だと少々長いこともあり、「ミルククラウン」という呼び名が主流なのだと思われます。

ふわふわ教授

おそらく和製英語なのでは?と思うくらい、英文サイトでは『MIlk crown』の使用例が極めて少ないのです。


『Corolla/カローラ』は概ね「花冠」のこと

美しい花冠を被る石像

『Corolla』は英語では「花冠」を指します。これは、花の器官のことを表す単語です。花は、中心から放射状に花びらが生えてます。この、花びらの生え方そのものが、冠状になっているのです。

よって、花やビーズで作られた冠や装飾物を『Corolla』と呼ぶことが多いです。それこそ、リースやガーランドのような物を呼びます。

しかしながらラテン語では、元々『Corolla』は「小さな冠」という意味であり、花を使った装飾に限定されるものではないそうです。

ふわふわ教授

イギリスにおける『Coronet』が、ラテン語の『Corolla/カローラ』なのかもしれません。少しランクの下がる冠は、金属よりも植物で作られる傾向があるので、「カローラ」=「花・植物製の冠」になったという推測をできます。


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