十二支は、12種の漢字からなる、古代中国で生まれた暦法です。日本でも年賀状のモチーフとして有名ですが、海外でも『Chinese zodiac』として知られています。本日は、特に「英語での呼び名」やイメージが異なる「5つの動物」を中心に取り上げます。
もくじ
十二支は『Chinese zodiac』
十二支は、英語では『Chinese zodiac/チャイニーズ・ゾウディアック』と訳されることが多いです。
『Zodiac』は、「黄道帯」(こうどうたい)のことです。
「黄道帯」を大ざっぱにいうと、太陽の通り道です。このエリアには占星術(Astrology)で有名な「黄道12星座」が並んでいます。
ふわふわ教授
十二支というサイクルを『Chinese zodiac』と呼び、個々の動物は『Chinese zodiac signs』です。
十二支は、12の動物を扱った中国の古い暦法です。
占星術でも、星が並んでいる天体図が『Horoscope/ホロスコープ』で、12個の星座自体は『Zodiac signs』といいます。
12星座は、厳密には『Astrology zodiac signs』ですが、『Zodiac signs』だけで分かる場合が多いです。逆に、明らかに十二支の話題の時であれば、十二支を『Zodiac signs』だけで表現する場合もあります。
ほとんどの日本人は、自分の生まれ年の動物(十二支)を知っています。
十二支の動物を『12Animal signs』と言う人もいます。占星術と混同しそうですが、「水瓶座」「乙女座」「射手座」など、動物以外のモチーフも、12星座に含まれます。
それに対し、十二支は、龍が想像上の生物とはいえ、十二支全てが動物です。
よって、『12Animal signs』は、概ね十二支の動物のことを指しています。
十二支は、12種の漢字を用いて、年、時刻、方角を表すための古代のシステムです。
十二支とは、毎年1匹の動物がその年を代表する、12年毎に繰り返す周期のことです。
5つの動物が、日本でのイメージと違う
中国と日本では、十二支の動物にいくつかの相違点があります。よって、それらの違いを説明する時に『Japanese zodiac』というフレーズを使うのが良いと思います。
中国の十二支と、日本の十二支は少し違います。
英語版の十二支(Chinese zodiac)のうち、5匹の動物名に違和感を感じるかもしれません。
ふわふわ教授
下に日本語での十二支と、英語版を順に記しました。
『The Year of the ~』の後に動物名を入れると「丑年」や「未年」などの十二支を表すことができます。
上の動物の中で、青文字の部分が、日本の十二支と比べて違和感を感じる英単語です。
ふわふわ教授
子年は『Rat/ドブネズミ』!
『Mouse』のイメージだったのに…
『The Year of the Rat』が、英語での「子年」(ネズミ年)の名称です。このフレーズが、英語圏の占いでは定着しています。
『Rat』は、ネズミの中でも大型ネズミの名称です。すなわち、ドブネズミやクマネズミのことです。日本の年賀状で目にするような、可愛らしい白いネズミは『Mouse』です。
『Rat』には、「卑劣な人」という意味もあり、少しショッキングです……。
ふわふわ教授
日本同様、中国では「鼠」という漢字は「種類を問わず、あらゆるネズミ」を意味します。よって、中国の十二支では「大小のネズミ両方」が絵柄のモチーフになっています。
日本の年賀状では、明らかに『Mouse』のイメージが強調されている点を、海外に知らせることも時には必要かもしれません。
その時、『Japanese zodiac』という言葉を用いると伝わりやすいと思います。
日本の十二支の動物では、可愛らしいネズミのほうが、ドブネズミよりも一般的です。
丑年は『Ox/オス牛』
『Cow』は、メス牛のこと
英語では、丑年を『The Year of the Ox』と言います。『Ox』とは、オス牛のことです。
日本の年賀状では、乳牛やミルクをモチーフとした「メス牛」がデザインされることも少なくないです。『Cow/カウ』という英単語は、これら「メス牛」だけを意味するの名称なのです。
ふわふわ教授
Chinese Fortune Calendar によると、中国では「水牛/Water buffalo」の絵柄が、干支のモチーフに多く見られるそうです。水牛は、古代中国における代表的な家畜です。
どちらかといえば力強いイメージが広まっているため、『Cow』よりも『Ox』という単語を使うのだそうです。
日本では、乳牛、特にホルスタインが年賀状によく描かれるのが一般的だ。
未年は『Goat/ヤギ』?
中国語の「羊」=「ヒツジ&ヤギ」両方を含む
日本では「未年」=「ヒツジ年」が当たり前です。よって、『The Year of the Sheep』でOKです。
しかしながら、海外では『The Year of the Goat』という記述も多く見られます。
ふわふわ教授
以前、香港の方と仕事をしたときに、十二支の話題になりました。その方が……
私はヤギ年に生まれたのよ。
…と言ったのです。その方は中国人ですが、ヨーロッパで生まれ育ちました。よって、おそらくアジアの文化に疎いので、「ヒツジとヤギを間違えたのだな」と私は推測しました。だから……
あなたが生まれたのは、ヒツジ年ですよ。
……とツッコミ、訂正しました。
後年になって、外国では『The Year of the Goat』という呼び名も多く使われていることを知り、驚愕しました。
ふわふわ教授
本場中国では、ヤギとヒツジを区別せずに「羊」と呼びます。
CNN World Asia によると、香港の大学では、「教える人物によって『羊』という漢字は、ヤギ、ヒツジ、ガゼルすら含む」のだそうです。
よって、十二支が英語圏に伝わった現在、『Sheep』『Goat』の両方へと翻訳されているというわけなのです。
日本では、十二支の1つとしてヒツジはお馴染みですが、ヤギは一般的ではありません。
参考:「GOTRIP !」 ヒツジ年?ヤギ年?中華圏の旧正月事情
酉年は『Rooster/オスの鶏』
『The Year of the Rooster』が、英語での「酉年」です。
『Rooster/ルースター』は、雄鶏(オンドリ)を指す英単語なのです。雌鶏(メンドリ)は『Hen/ヘン』です。
ふわふわ教授
先の Chinese Fortune Calendar によると、中国の「酉年」のイラストでは、雄鶏のモチーフが圧倒的に多く見られるため『Rooster』という単語をサイトでも使用しているそうです。
日本の年賀状では、雄鶏だけでなく、雌鶏やヒヨコ、卵が十二支のイメージとして描かれることもある。
『Chicken』はニワトリ全般を指す
鶏といえば「チキン」がすぐ思い浮かびます。実際、英語でも鶏は『Chicken』です。ちなみに、生きた鶏も鶏肉も、両方『Chicken』でOKです。
ただし、英文で使う時にはルールがあります。
ふわふわ教授
「鶏肉」は複数形にできず、いつでも『Chicken』のままです。
The Hip Chick によると、アメリカ合衆国の農業従事者の数は、人口の2%に過ぎないそうです。よって、アメリカ国民ですら、何種類も存在する、鶏の細かい「名称の違い」には、さほど詳しくないとのことです。
亥年は『Pig/豚』!
「亥年」は、英語では『The Year of the Pig』です。ついに本格的に別の動物に変わったように思われるかもしれません。
ところが、日本以外では「亥年」=「ブタ年」なのだそうです。
実は、中国語では「猪」=「ブタ」という意味になります。たとえば「西遊記」の猪八戒(ちょはっかい)も、名前に「猪」が入っていますが、ブタの姿をしています。
中国語… 「猪」=ブタ、「野猪」=イノシシ、「豚」=子ブタ
英語…「Wild boar」=イノシシ、「Pig」=ブタ
ふわふわ教授
◎BuzzFeedNews どうやら今年は「豚年」らしい
ブタは、家畜化したイノシシ
イノシシは、英語で『Wild boar』です。全然違う生物のようにも見えますが、イノシシが家畜化した結果、ブタになったそうです。
hisgo によると、十二支は『Japanese horoscope』と訳され、イノシシは『Wild pig』とも表記されています。
このことからも、イノシシが「野生のブタ」であることが英語圏では、ある程度知られているようです。
日本の十二支では、イノシシ年が一般的です。
ブタを意味する中国語が、日本語ではイノシシと翻訳されています。
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。
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