もくじ
「ローカル=田舎」は誤解
『Local/ローカル』という言葉は、日本語でも頻出する単語です。
主に「田舎」という意味だと誤解されていますが…
その土地の、地元の、現地の、その場所の、
局所的、近くの…
などを意味します。
東京の知人が、私の地元の横浜に来た時のことです。東京とは微妙に異なる点が目についたらしく、やたら「ローカルだね」を連発していました。
その言動が少し鼻についたのですが、「ローカル=田舎」というイメージが頭をよぎり、東京から見ると「神奈川=田舎」と言われている感じがしました。
ふわふわ教授
カナダ人も否定した『Local=田舎』という認識
英会話カフェでフリートークをした時のことです。
そこにいた日本人の方も、『Local』という言葉を田舎という意味で使っていました。
海外旅行のエピソードでしたが、山奥の田園風景を説明するときに『Local area/ローカルエリア』という言葉で表現されていました。
その時、講師役を務めていたカナダ人の方が、 連発される『Local area』 という単語を気にしていたようで、
その日本人の方に、再度トーク内容を詳しく確認したあと、
「その『Local area』の使い方は間違っているよ」
と指摘したのです。
『Local area』とは、現在地から「近い距離」を意味する
そして、彼は続けてこう述べたのです。
「田舎か都会かどうかは、関係ないんだよね…」
“It is about the distance.”
「…あくまで(Local areaとは、)距離を表す言葉なんだよ」
ふわふわ教授
グーグルマップの「ピンマーク」がわかりやすい
『Local』には「特定の地域」という意味がありますが、地図にさされたピンは、まさに局所を指し示している状態といえます。
グーグルやヤフーのWEBマップでも、ピンマークがお馴染みだと思います。ピンがさされた位置が「全体のなかの局所」なので、「ローカル」といえます。
そして、ピンマークの周辺が「ローカルエリア」ということになります。
「地元」という意味でもよく使う
『Local』とは、純粋に「特定の場所」を指すことが多いです。そこが「どんな場所なのか」という特徴は、意味に含まれません。
例えば、自分の現住所が横浜の場合、
「横浜が私の地元だよ」
…で正解です。
推測ですが、この「地元」という意味で使われることも多いため、イメージ的に「ローカル=田舎」という誤解が生まれてしまったようです。
都会に上京して来た人の場合、自分の故郷を「地元」と呼ぶからです。
「地元」の意味合い自体、人によって変わる点も、まぎらわしさに拍車をかけています。生まれてから現在まで同じ土地に暮らす人にとっては、現住所は常に「地元」ですが、そこが大都会であっても『Local』にあたります。
ふわふわ教授
ただ、「全体の中の局所」というイメージは変わらないので、どこに照準を合わせるかによって、無数に『Local』が存在するものと考えてよいでしょう。
地元民も『Local』という
『Local』は、場所の位置だけでなく、住民も指す単語なのです。その土地に住む人々のことを『Local』といいます。『Local residents』や『Local people』ともいいますが、『Local』単独でも使えて、複数形は『Locals』となります。
ベイスターズは、地元住民に人気の高い球団である。
『Local=田舎』ではない証拠
東京ローカルという言葉がある
野球やサッカーでは、各地域ごとに「地元チーム」が存在します。これはすなわち、全チームがその地域の「ローカルチーム」ということになります。
『Local』には、全体から見た1つの場所という意味合いがあります。
よって、日本全体から見た1部分という意味では、全ての都道府県がそれぞれが「ローカル」にあたります。
ジャイアンツは、東京のローカル球団です。
社内ネットは「ローカル」な接続
また、社内ネットワークなど、オフィスや建物の中だけでコンピュータをつなげる『LAN』は、「ローカル・エリア・ネットワーク」と言います。これは、自分のデスクから見た「近くのコンピューターとのネットワーク」なので、「ローカル・エリア…」という表現になります。
『Local』には、「限定された範囲内」という意味合いがあります。
※当然、田舎か都会かは一切関係ありません。
局所麻酔は「ローカル」と表現される
歯医者などでよく行われる局所麻酔(部分麻酔)は、英語では『Local anesthesia/ローカル・アーネステイジア』と言います。
これも、「全身の中の1エリア」に麻酔をするから『Local』な麻酔という意味です。針を刺した位置から近くの範囲にのみ麻酔が効くというイメージです。
※これも田舎という要素からは無関係です。
『Local』は地方都市を連想しやすい
TOEICでも『Local』はよく登場する
TOEICで使われるような例文を挙げてみると、こんな感じになります。
・Local artists. 「地域の芸術家たち」
・Locally grown vegetables. 「その土地で育った野菜」
・Locally employed staff. 「現地で雇われた従業員」
これらの文章は「首都」から見た「地方都市」を連想しやすいのは事実です。
4段目の ” Locally employed staff ” などは、「首都圏/Capital area」にある「本社/Headquarters」から見た、別地方の「支店 /branch 」で採用された「社員/staff」…というストーリーが頭に浮かぶかもしれません。
しかしながら、そういう例が多いとはいえ、単語そのものの意味とは関係ありません。
日本の有名企業でも、地方都市に本社があり、東京に支店がある会社がいくつも存在します。その場合、東京支店で雇われた従業員が、『Locally employed staff』に該当します。
また、日本に本社があり、海外支店がある企業なら、その支店のある国で雇われた国民が『Local staff』となります。
ふわふわ教授
『Local』の発音は「ロウコオ」
※青文字にアクセント
ふわふわ教授
ローカルの『ル』を省略すると英語らしく聴こえる
英語で『Local』を発音する際、厳密には「ロウコオ」の「オ」のあたりで微かに『L』の音を発音しています。
しかしながら、この発音法は、母音をともなわず、純粋に『L』の音のみを発音しているため、日本語でいう「ラリルレロ」の音の、いずれにも該当しません。
むしろ、ローカルの「ル」をはっきり発音すると『Lu』のような間違った音になります。 よって、『L』の音を省略して「ロウコオ」と発音しても十分、『Local』らしく聴こえます。
本日も最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。