史上初の「延期された五輪」として開催された「東京オリンピック2020」は、史上初の「無観客の五輪」としても歴史に刻まれました…。
もくじ
No spectators(無観客)
英語で、「観客」や「観衆」を意味するのが『Spectators/スペクテイターズ』という単語です。これに『No』を付けることで「無観客」になります。
よって、『No-spactator games』と言えば「無観客試合」という意味で通じます。ただ、ほとんどの場合、以下のように文章の中に『No spectators』を取り入れて使われます。
東京オリンピックには、観客の姿が見られない。
東京オリンピックは、無観客で現在開催中だ。
ふわふわ教授
東京オリンピックは、無観客で開催された。
Audience(観客)は使えない?
『Audience/オーディエンス』という単語も「観客」という意味ですが、スポーツの試合では使われません。コンサートや演劇の舞台、映画館の「観客」に対して使われます。
また、特定の新聞や小説家などの「読者」に対しても使われます。
音声を意味する『Audio/オーディオ』と接頭辞が同じ『Aud』なので、「聴く」というニュアンスが強まります。よって、スポーツよりも、音楽イベントや講演会など、「音や言葉」を主体とした催しにマッチします。
◎Pediaa.Com Difference Between Audience and Spectators
ふわふわ教授
Behind closed doors(密室・無観客)
「密室」や「非公開」を意味する『Behind closed doors』というフレーズも、「無観客試合」を表すときに使われます。
直訳すると、「閉ざされたドアの背後(向こう)」です。つまり、関係者以外は入れない場所ということです。
サッカーの試合では、時々、観客席から「差別的な文章が書かれた幕」を掲げるサポーターが存在します。そのような不正行為への制裁措置として、無観客試合が古くから行われています。
不正行為の他に、天災の発生により無観客試合となる場合もあります。
ふわふわ教授
パンデミックから観客の安全を守るために『Behind closed doors』となったのが、今回の東京オリンピックというわけです。
東京オリンピックは、無観客で開催された。
東京オリンピックでは、野球の試合が無観客で行われた。
Without fans(ファン無し・無観客)
単純に「ファン無しで」という意味の『No fans』や、『Without fans/ウィザウト ファンズ』というフレーズも「無観客」として使えます。
東京オリンピックのスタジアムには、観客の姿が見当たらない。
彼らは、東京オリンピックを無観客で開催することを決定した。
No-Fun (楽しくない)Olympics
東京オリンピックの「無観客開催」が発表されたあと、海外では『No-Fun Olympics/楽しくないオリンピック』という見出しが驚くほど、たくさん使われました。
見た目や発音は似ていますが、『Fan』と『Fun』は違う単語ですよね?
ふわふわ教授
『Fan』は、スポーツの観客を指すことの多い単語です。また、『Fun』は、スポーツの試合を「楽しむこと」にとてもマッチします。
よって、英語の世界では、「無観客」=「楽しくない」という印象が、かなり強まるようです。
◎The Hamilton Spectator No fans means no fun at Tokyo Olympics
「熱狂的ファン」を英語で表す3つの英熟語Empty stadiums(空っぽのスタジアム)
上の写真は、東京オリンピックで使用された横浜の2会場の写真ですが、まさか写真の通り、「空っぽの状態」で試合が行われるとは思いもしませんでした。
『Empty stadium』は、日本語でいう「空っぽの競技場」と同じように使えます。要するに、選手や関係者を除き、「無観客状態のスタジアム」という意味です。
野球とソフトボールの試合は、横浜市内のスタジアムで、無観客開催された。
◎『DW NEWS』Tokyo Olympics to be held in empty stadiums due to COVID
Almost empty(ほぼ空っぽ)
東京オリンピックは、「無観客」開催でありながらも、実際には、チラホラ客席に人が座って応援している場面も多く見られたかと思います。
こういう場合、「100%無観客」「空っぽ」と呼べるのか?とお考えの人もおられると思います。
ふわふわ教授
例えば、今回の東京オリンピックの開会式には、数百人程度の「開会式出席者」がおられました。観客、見物人を意味する『Spactators』が数百人は存在していた以上、「完全に無観客とはいえない」という考え方もあります。
ふわふわ教授
東京オリンピックのほとんどの競技は、ほぼ空っぽの競技場で開催された。
《使用例》Netherlands News Live Olympics Games opening ceremony starts in almost empty stadium
東京オリンピックの「横浜会場」を英語で説明!Empty seats、Empty stands もOK
『Empty seats』というフレーズは「空席」の複数形です。ところが、パンデミック以降の世界だからでしょうか、『Empty seats』で画像検索すると、「ガラガラの無観客スタジアム」の写真ばかり出てきます。
よって、「無観客」のイメージの強いフレーズになっています。
東京オリンピックでのアスリートたちは、誰もいない観客席の前で試合を繰り広げた。
ふわふわ教授
『There are3empty seats./そこに3席空きがある。』と数の指定も可能です。ただ、1席だけ空いている、もしくはある1席に焦点を当てる時は『An empty seat.』と単数形にしてください。
☆競技場の座席に特化した『Stands』という単語もあります。
Cambridge Dictionaryによると、『Stands』という単語は、「たくさんの座席を擁する階段式の観客席」という意味で使われています。
日本でも「野球場の観客席」=「スタンド」として日本語化しています。
ふわふわ教授
野球の日本代表チームは、無観客の座席の前で、金メダルを獲得した。
◎『TIME』How Will Empty Stands Affect Olympic Athletes in Tokyo? (※Empty standsの使用例)
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。
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